公正取引委員会は水曜午前、朝日・キリン・サッポロ・サントリーの東京周辺拠点を捜索し、ビール類の卸出荷価格を巡る独禁法上のカルテル疑惑で強制調査に入った。関係者の説明と、各社が昼前に開示した書類が示す。

当局が見るポイント

委員会は令状に基づく捜索権を行使した。発泡酒やビールの上値が小売棚で争われている一方、卸段階での値上げが長期に同期していたとの市場観測が背景にある。国内ビール・発泡酒の大半を4社が占めるため、卸値の調整は居酒屋チェーンや球場、コンビニの原価に直結する。

数年にわたる価格情報の交換や値上げの調整があったかが焦点。違反が立証されれば刑事告発もあり得るが、水曜の捜索は初期段階にとどまる。

市場と外食への波及

各社は子会社が立入検査を受けたとし、全面協力を表明。親会社株は東京市場で売られた。外食事業者は、卸ビールが交渉カテゴリーである以上、上流での価格管理の疑いはポアコスト上昇の説明力を弱める。

次の段階

委員会はメールや価格会議、流通契約を精査する。有罪確定前でも、同時捜索は「偶然の並行値上げ」ではないとの当局の見立てを示す。渡辺健二のビジネスデスクは、卸業者へのヒアリングと認容申請の動きを追う。