ソフトバンクグループ子会社のIDCフロンティアは7日、法人向けクラウド「IDCFクラウド」がランサムウェア攻撃を受け、契約する495の企業や自治体のホームページが閲覧できないなどの障害が発生したと明らかにした。同社によると、東日本リージョン1のデータセンターで午前3時40分頃に不正アクセスが検知され、自動停止が働いた。

IDCフロンティアは二次被害やデータ漏えいを防ぐため、当該リージョンをネットワークから遮断しシステムを停止した。侵入経路の特定と、他リージョンの安全性確認を続けている。安全確認のため、東日本リージョン1以外の管理コンソールも一時停止した。

自治体は代替手段を模索

茨城県では、申請書類のダウンロードができず電話対応に切り替えた。ソフトバンクから午前4時ごろに東日本のデータセンターでサーバー電源が落ちたとの連絡があったと県は説明した。栃木県はイベントカレンダーが表示されず、東京都小平市も市のサイトが閲覧不能になった。報道では、茨城県警のサイトや埼玉県の東武動物公園、時事通信のサイト運用にも影響が出た。

IDCフロンティアは顧客名を公表していないが、IDCFクラウドは東日本に3つの独立リージョンと西日本1リージョンを持ち、今回の障害は東日本の1クラスターに限定された。それでも当該ゾーンに本番環境を置くテナントが多く、被害は広がった。

契約基盤と復旧手順

同社は代替環境の構築と詳細調査を進め、個別に顧客へ連絡している。岸田政権の官房長官は前日、幅広い業種へのサイバー攻撃を注視していると述べたが、今回の障害は単一クラウド事業者にとって今週最大の停止となった。ソフトバンクグループ株は大きくは動かなかったものの、重要インフラをクラウドに集約する議論が再燃する見込みだ。

テナントが直面する課題

自治体はオンライン申請や防災情報の更新が止まり、企業は商品ページや決済フローの停止リスクにさらされた。秋の予防接種や学校手続きのピークと重なり、住民サービスへの影響は目立つ。サイバー保険やシステム integrator は、バックアップリージョンへの切り替えか、IDCフロンティアの再構築を待つかの判断を迫られる。

復旧の目処は7日夜時点では示されず、他リージョンのコンソール再開も安全確認次第となる。同社は追加の状況報告を約束しており、暗号化されたシステムの解析が終わるまで、一部の管理画面はロックダウンが続く可能性がある。