台風26号(デュアン)が関東平野を襲った3日後も、千葉県内で1万世帯を超える家庭が停電した状態が続き、東京電力パワーグリッドは北千葉の緊急送電工事の入札を今週開始した。土砂崩れと倒木で複数の送電線に近づけず、復旧見通しは部品調達以上に道路開通に左右されると説明している。

作業員が届かない理由

現場チームは、泥で塞がれた農道の奥にある電柱には通常の高所作業車が入れないと受注側に伝えた。公募内容は仮設バイパス線、移動変電設備、県がまだ通行止めの線路沿いの伐採を含む。入札参加企業の複数は、土木会社と送電作業員を組ませていると述べ、ボトルネックは資材ではアクセスだと強調した。

神奈川県でも金曜時点で数十件の停電が残ったが、契約の焦点は千葉の集中被害にある。県は木曜のある時点で約2700世帯が断水したとし、低地のポンプを動かすには送電復旧と切り離せない。

排水と送電の連動

国土交通省は印旛沼周辺の緊急修繕と排水をおおむね1週間で終える目標を示した。堤防の破損で水田や住宅が浸水し、湖の水位は金曜朝3メートル前後で、平常時の2.3メートルより高い。排水ポンプで早ければ土曜までに下げる計画で、井上辰憲国土交通相が会見で全力支援を繰り返した。

常磐線沿いの小売や工場は、電気と水の両方が止まると送電が戻っても稼働できない。千葉の事業者団体は、冷蔵車を待機させないため復旧ブロックの日次マップを東電に求めた。

見積に織り込む要素

建設業者は、スポーツの日連休に続く太平洋上の台風系列で東岸に高波が来る可能性を見て、待機人員費を積むと述べた。東電は全面復旧の日付は公表せず、ヘリが降りられない区間は歩いて点検するとした。落札者は決定から48時間以内の動員が想定される。

台風で千葉・神奈川合わせて11人が死亡確認され、行方不明者も残る。復興費は後から災害対策費に載るが、当面の入札は避難所と病院への給電が先だ。来週も暗い家が残れば、電力会社と高市政権のインフラ担当への圧力は強まる。

保険と責任

製造業の休業損害は停電時間の記録が鍵となり、自家発導入が進む。入札業者は浸水近くの活線作業で責任保険の条件が厳しくなる。