メドレーは10月14日深夜、日本全国のクリニック・病院が利用する医療業務支援クラウド「Atlink」への第三者による不正アクセスを確認し、サービス提供を一時停止した。患者向けアプリなど関連ツールも止め、被害拡大を防ぐとしている。

同社は10月11日に外部の専門機関から警告を受け調査を始め、不正アクセスを裏付けた。医療機関への影響を見極める間、限定的な運用を続けたが、14日深夜に全面停止に踏み切った。

影響の広がり

東京証券取引所への開示では、患者など登録者の個人情報が外部に漏えいした可能性があるとした。フォレンジック調査の結果次第では、Atlink利用の全787施設が対象となり得ると警告している。

メドレーは個人情報保護委員会へ報告し、警察へ相談した。2026年12月期の連結業績への影響は軽微とみ込む一方、予約・会計・電子カルテをAtlinkに依存する中小医院は、再開まで手作業に切り替える必要が出ている。

クリニック側の混乱

Atlinkは自社ITを持たない開業医層に広く使われている。同社は患者・医療機関へ謝罪し、問い合わせ窓口を設けた。再開時期は調査結果を踏まえ改めて示すとしている。

世界的な半導体・AI関連株の売りが続く週でも、メドレーにとって当面の焦点は規制当局と顧客基盤の信頼回復だ。患者記録システムは簡単に乗り換えられないため、停止期間の長さが経営判断を左右する。

当局の対応

医療データ漏えいが確定すれば、被害者への速やかな通知が求められる。メドレーは追加の安全策を講じ、影響が広がれば追って開示するとしている。

警察が関与したことは、単なる民事トラブルではなく刑法上の不正アクセス事件として捜査される可能性を示す。氏名・保険情報・診療内容など、どの項目が流出したかはまだ特定されていない。