高市早苗首相とドナルド・トランプ米大統領は22日、ニューヨークで会談し、日米同盟を一層強化することで一致したと日本政府が発表した。両首脳は国連総会に出席しており、トランプ大統領と中国の習近平国家主席によるワシントン首脳会談を控えたタイミングでの会談となった。

政府が公表した内容

共同通信は東京時間午前5時過ぎに速報を出し、林芳正官房長官が高市首相とトランプ大統領が地域安保と経済協力の認識を共有したと述べたと伝えた。全文の共同文書は出ていないが、政府関係者は報道陣に対し、延伸抑止、防衛産業協力、半導体サプライチェーンの安定が議題になったと説明した。

会談の前日には、米日韓の外相がニューヨークで三者協議を行い、台湾海峡の平和と安定、一方的な現状変更への反対を強調した。東京はこの文言を、米中首脳会談前の協調シグナルと位置づけている。

高市首相が掲げた優先事項

首相官邸は、防衛費増と在日米軍基地関連手続きの迅速化を改めて伝え、米側に対し日本企業に影を落とす関税・技術措置については事前協議を求めたとしている。円相場が米金利観測に敏感ななか、財務当局者が一部をビデオ参加したと匿名の政府高官が説明した。

トランプ大統領は会談前のカメラ前で日本を「基盤的なパートナー」と称し、横須賀・佐世保での共同船舶修理に言及。新たな基地発表はなかったが、米側は弾薬共同生産について実務協議を続けるとした。

日本の読者にとっての文脈

北朝鮮は今月ミサイル試験を再開し、中国官媒は習氏訪米前に台湾など「赤線」を踏まないよう米国に警告している。高市首相は会談後の記者団に、米中の取引が日本の安全や東シナ海の海路安定を損なうことがあってはならないと述べた。

野党は農産物市場開放など日本が何を提示したか、国会での説明を求めている。林官房長官は詳細は省庁が議事録を整理後、国会に共有するとした。

今後の段取り

防衛省によると、対ドローンや宇宙領域の認識共有について日米実務者会談を10月に開く予定だ。高市首相は23日にニューヨークの経済界向け講演を控え、その後東京に戻り補正予算の臨時国会論戦に入る。

22日の握手は条約上の約束を置き換えるものではないが、中東外交と対中競争のあいだで同盟を前面に出す高市外交の公の印となった。