海上保安庁第11管区海上保安本部(那覇)は27日、沖縄県石垣島の北おおよそ72キロの日本の排他経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「科学」が調査用ワイヤーを海中に入れるのを確認し、無線で作業停止を求めたと発表した。
同本部によると、確認は午後0時10分ごろ。外国がEEZで海洋科学調査を行うには東京の同意が必要だが、今回の作業は許可を得ていないと保安庁は判断した。
同意ルールと保安庁の対応
国連海洋法条約では、沿岸国はEEZ内の海洋調査について管轄権を持つ。日本は中国の政府・半政府船による無断調査を繰り返し抗議しており、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺や南西諸島では漁業や海底ケーブルへの影響も懸念されている。
保安庁は「同意のない海洋調査は当該水域では許されない」と無線で伝えた。船が応じたか、作業がいつまで続いたかは即時には明らかにしていない。通常は巡視船が追尾し、位置情報を外務省経由の外交手続きに記録する。
南西諸島周辺の動き
日曜の目撃は、南西諸島で台風対応が進む中、別系統の安全保障上の懸念でもある。沖縄の漁業者は、ソナーやケーブル作業が漁場を乱し、器材を損傷させると報告してきた。
東京の防衛・海上保安当局は、繰り返される中国の調査活動を、潜水艦行動や将来の資源主張を支える海底地形の把握と結びつけて説明することがある。北京側は、多くの活動が自国の管轄水域または公海で行われると主張し、日本のEEZ線の内側での作業については異なる立場を取る。
外交・執行の選択肢
保安庁が無断調査を確認した場合、外務省は過去同様の事例で外交ルートを通じ抗議を行う見込みだ。「科学」など中国の国立研究機関が運航する船を巡る事件では、抗議と継続監視で終わることが多く、領海侵入のような即時の排除措置には至らないこともある。
石垣島や近隣の島民にとっては、日常の巡視と研究船隊のレーダー映像が重なる緊張が現実の問題だ。日曜の無線警告は、東京が「科学」をリアルタイムで見ていることを示すが、中国が航路や事前通知の実務を変えるかどうかが長期的な試金石になる。
今後の焦点
東京の分析官は、日曜の座標を「科学」の過去航跡と照合し、海底ケーブル回廊を再訪しているのか、石垣以北で新たな海域を探っているのかを見るだろう。船が尖閣の接続水域へ向かえば、海上保安庁と自衛隊の情報機が過去の対峙時と同様に連携する可能性がある。
北京が事後的に正式な同意を求めることは稀で、日本がそれを認める前例も乏しい。今回の出来事は、主権をめぐる対立を解消せずに、日中公表のEEZ調査争いのファイルに追記される形が想定される。
