日曜の取引で日本の指標10年国債利回りは3.115%まで上昇し、約30年ぶりの水準が2営業日連続で続いた。日本銀行が引き締めを続けるとの観測から国債が売られた。
上昇は夏以降のインフレ指標でサービス価格が日銀の2%目標上に粘着したあと、植田和男総裁が実質金利が依然緩和的だと示したことで加速した。ゼロ金利時代に長期国債を積み増した生保や地方銀行が売り手を担い、ドル資産のヘッジコスト上昇も重なった。
市場が売りを強める理由
東京のマネーマーケット関係者は、3.11%台は国内供給要因に加え、米国債利回り上昇の波及だと説明する。米長期金利は財政赤字懸念とAIデータセンター投資による資金需要で上昇している。外国債へシフトした年金基金は円152円前後のドルに対するヘッジ費用増を抱え、一部は国内でデュレーションを削る動きを見せている。
地元メディアが引用する証券会社調査では、10月政策決定会合での日銀利上げ確率は60%超とされる。当局は事前コミットはしていないが、今月の審議委員発言は春闘の賃上げ動向への警戒を強めた。大手製造業が4%超の賃上げを固めれば、政策金利0.5%維持は円安再進と輸入インフレを招くとの見方が広がっている。
債券市場以外への波及
長期金利上昇は短期金利連動の変動金利住宅ローンの参考金利を押し上げ、マイナス金利終了後の家計に新たな負担となる。東京証券取引所の建設株は後場で軟調、銀行株は上昇し、資金調達コストの上昇が貸出金利の上昇より遅い場合の利ざや拡大期待が反映された。
財務省は「過度な」動きに対しイールドカーブコントロール型の介入用意を繰り返す。特別買い入れはまだ発表されていないが、10年債が月曜早朝に3.2%を割る動きになれば、引当保有のプライマリー・ディーラーが臨時オペに待機するという。
日銀会合の焦点
政策委員会は10月下旬に開催され、決定までにインフレと賃金の統計が2回出る。野村と大和の分析では利上げはあり得るが確実ではないとし、中東の海運リスクに伴う世界の債券ボラティリティを理由に、流動性ショック下での引き締めを避ける可能性も指摘する。
市場のメッセージは明確で、日本の金利は固定されていないと見なされている。3.1%超が続けば、防衛と今夏の台風被害対応で支出が膨らむ政府の利払い負担も増える。投資家は月曜の現物市場で財務省の買い入れと、植田派が3.115%を防衛線とみるか次の正常化ステップとみるかの発言を注視する。
