高市早苗首相は月曜日、国家情報力強化を目的とする有識者会議の初会合を招集し、外国による干渉や地域の軍事圧力に対応するため、スパイ機関と反スパイ法制の強化が急務だと述べた。

首相官邸での非公開協議の終盤に記者が入場した際、高市は台湾、北朝鮮、ウクライナ戦争をめぐる地政学リスクが高まるなか、日本の情報力強化は「緊急の優先課題」だと強調した。外部有識者17人で構成するパネルは、各省庁が機密情報を収集・分析・共有する仕組みを変える法案への提言をまとめる見込みだ。

なぜ今パネルなのか

ジャパンタイムズは、首相就任1年を迎える高市が、防衛力増強と並んで外国影響工作への対抗を優先してきたと報じた。日本は米国主導のファイブ・アイズに戦略的警告を大きく依存する一方、CIAや英国MI6に相当する単独の対外情報機関を持たない。過去の「中央情報機関」創設案は、プライバシー懸念や内閣情報調査室、防衛省、警察庁の縄張り争いで頓挫してきた。

月曜の立ち上げは、予算の漸増ではなく制度改正に政治資本を投じる意思を示すものだ。議題に詳しい当局者によると、スパイ行為の罰則強化、危機時の指揮系統の明確化、サイバー侵入や内部者工作の標的となる防衛関連企業の保護が論点に上がるという。

地域情勢

会合は、台風26号(スリガエ)が沖縄から関東へ向かうと気象庁が追跡するなかで開かれた。民間機関が都道府県をまたいで災害情報を連携する例はあるが、安保派は、半導体サプライチェーンや九州の宇宙関連施設、米軍共同基地を狙う外国行為者に対しても同様の連携力が必要だと主張する。

北朝鮮のミサイル試射や台湾をめぐる中国の圧力を受け、国家安全保障戦略は反撃能力や豪州・フィリピンとの連携強化の軌道にある。高市のパネルは、その「硬い」側面に対し、破壊工作の察知、秘密資金の追跡、デュアルユース技術と協働する大学からの漏えい防止といった「ソフト」な側面を担う。

今後の展開

政府は法案提出の時期を公表しなかったが、林芳正官房長官はパネルが定期的に開かれ、既存法で可能な情報共有など「早期の成果」を各省庁に求めると記者団に述べた。野党は監視権限の拡大には司法的監督が必要だと警告しており、具体条文が出れば論争は激化する見通しだ。

東京を見る投資家や外交官にとって、パネルの提言は、首相官邸に情報権限を集中させるのか、戦後の分散型収集を続けるのかを示す指標になる。初会合で公表された勧告はなかったが、高市の閉会挨拶は、ロシアのハイブリッド戦や中国の経済威圧に備える同盟国と並べられる日本の情報体制を求めるものだった。