イオンとセブン&アイ・ホールディングスは月曜、高市早苗首相が掲げる2027年4月から2年間の食品・飲料向け消費税率8%から1%への引き下げが成立した場合の棚表示とセルフレジ画面を試験運用し始めた。同日開会した臨時国会は12月12日まで69日間の予定で、食品減税法案は衆院定数削減や情報機能強化と並び最優先案件だ。小売は可決を待てず、販促カレンダーやPOS更新に数四半期のリードタイムが必要だ。

日本では持ち帰り食品だけが軽減税率で、外食や酒類は10%のまま。1つのカゴで複数税率が混在するため、スーパーとコンビニを併営する大手は繁忙帯でも店員が迷わないロジックを検証している。

棚札が今動く理由

イオンは業界団体向け説明で、現行法と2027年4月想定の価格データを並行保有し、法案成立後に一括切替できる体制を求めたと報じられている。セブン&アイも関東の一部イトーヨーカドーで同様の試験を進めている。

財源不透明がサプライチェーンに及ぶ

政府は一時的な家計支援と説明するが、財務省が示す年間約5兆円の税収減をどう埋めるかは議論が続く。野党は財源不足を指摘し、公明・維新との連立では定数削減法案も審議時間を奪い合う。

飲料メーカーは酒類とノンアルコールの区分、コンビニの温め弁当の税率、円安で輸入コストが上がる青果・水産の棚価格など、契約条項の擦り合わせが続く。

秋の店頭で起きること

試験用の札は法成立前に客向けフロアへ出ない想定だが、税込表示がまだ変わらない理由を説明する客窓スクリプトは更新中。生鮮ポイント還元プログラムも、法定税率低下と二重割引に見えないよう調整される。

注目日程

衆院委員会の論点整理、参院での遅延、補正予算案の示唆が小売の切替判断材料になる。それまで試験用の棚札はバックヤードに置かれたままだ。