高市早苗首相は月曜日、69日間の臨時国会を招集し、30分の所信表明演説で対中国関係の安定化を模索しつつ、台湾、海洋問題、人権についての東京の立場を弱めない姿勢を示した。演説は補正予算の成立と国家安全保障戦略など三つの安保文書の改定準備が焦点となる本会期中の出発点となった。
隣人であり競合
高市は中国を「重要な隣人」と呼び、対話に基づく「建設的で安定した関係」を追求すると述べた。2025年後半、台湾への中国攻撃が日本に「存立危機事態」をもたらす場合の軍事介入可能性に言及し、長年の戦略的曖昧さを破った発言以降、日中関係は悪化していた。
中国の外相は先週、北京で訪中した元外相率いる経済代表団と会談し、関係は「再び正常化を待っている」と述べた。高市は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で中国を訪問する見込みで、月曜の演説は安全保障政策を後退させずに接触路を確保する試みと読まれた。
演説で示した赤線
同時に高市は、中国軍の日本周辺での活動、東シナ海・南シナ海での強圧、中国にいる日本人の安全、人権問題について「日本の立場を主張し続ける」とし、責任ある行動を強く求めると表明した。台湾発言後に北京がレアアース輸出を制限し、日本の製造業に打撃を与えていることも、関係修復への経済的圧力として報じられている。
外交の裏にある国内日程
演説では経済面でも、日本が2026年のグローバル・イノベーション・インデックスで12位に後退し韓国・シンガポール・中国に抜かれたことを引き、年内に「成長戦略実行計画」を策定すると約束した。就任1年で高い支持率を維持する一方、物価上昇と国債費用の増大は政治的焦点だ。
安保では、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の更新を本会期中に行うとした。日本維新の会など野党は、衆院定数削減や2027年4月の食品税変更に伴う財源問題も並行して論戦している。
国会の次の動き
今週から補正予算と財務省の食品税関連要求をめぐる委員会審議が始まる。外交ウォッチャーが見る焦点は、高市の柔らかな言葉遣いが閣僚訪問につながるか、APECまでの時間稼ぎにとどまるかだ。いずれにせよ月曜の所信表明は、APEC前でも台湾と海洋抑止は与党の譲れない線であることを示し、中国の古典に「志ある者は成す」と引用して決意を強調した。
