広島県と愛媛県の間を島々でつなぐ瀬戸内・しまなみ海道では、平日にETCで精算すれば普通車の通行料は2,950円。同じ料金所に電子タグなしで現金精算すると、尾道―今治の全区間の公示現金料金は4,920円になる。自転車ならフェリーや無料の尾道橋ランプで瀬戸内を渡れるが、海の見える高架道路を使う人は、開通から何十年も経った路線で四位数の円を払う。

その金額は、いまの舗装のための利用料――保守、照明、北部路線の除雪隊など、高速道路を生かし続ける目に見える仕組み全部――のように感じられる。問題は、開通式やリボンカットが終わって久しいのに、なぜ多くのドライバーが見たことのない貸借対照表に合わせた額が残っているのか、という点だ。

開通式のリボンより長く続く通行料

本州四国連絡高速道路を運営するJB本四高速は、料金を簡潔な表で公表している。軽自動車は、ETCの休日料金2,310円、ETC平日2,950円、ETCなし現金で尾道―今治のしまなみ全区間は4,920円。日本で最も写真に撮られるドライブのひとつだが、料金は補修と穴埋めだけをカバーする市営橋の通行料のようには設定されていない。

穏やかな瀬戸内の海上に架かる高速道路の橋と、手前の小さな料金所
イラスト:島々を結ぶしまなみ海道の高速道路と手前の料金所。InfoHandle Visual Arts(AI生成)

ネットワークを日常的に使うドライバーはETC割引を暗記する。休日2,310円があるのは、本州のNEXCO各社と同様、JB本四高速が燃料費や渋滞だけを反映するよう設計された基準の距離表に、曜日・時間帯の割引を重ねているからだ。料金所で渡されないのは、誰かがいまも所有する資本への賃借料がいくらかと書かれた領収書だ。

しまなみ路線は本州四国システムの一区間にすぎない。JB本四高速は案内ページに記載の神戸・淡路・鳴門、瀬戸中央、瀬戸西なども運営する。吊り橋から内陸の丘陵まで景色は変わるが、法的にはいずれも高速道路で、全国共通の資金調達のDNAを持つ。

ドライバーが「買っている」と思うもの

直感的な説明は運営コストだ。高速道路は清掃、点検、地震後の修復、警察活動が必要になる。パンデミック後の落ち込みから交通は回復し、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)は2024年3月期に1日あたり約296万台の通行を報告し、前年比1.9%増だった。車輪が増えれば舗装への入金も増えるはずだ。

しかし同社の決算は、道路本体の営業余力がいかに薄いかを示す。当該年度の高速道路事業の営業収益は1兆4,500億円、営業費用は1兆4,390億円で、高速道路セグメント自体の営業利益は110億円にとどまった。サービスエリアの売上や駐車はグループ内の別箇所で厚いマージンを生み、休憩所のコーヒーが道路部門の見え方を助けても、通行料の構造そのものは変わらない。

管理コストも無視できない。NEXCO東日本は同年、高速道路の管理・維持に2兆4,650億円を支出した。冬季パトロールから高速道路上を跨る地方橋の耐震補強まで含む。これらは現金で払われる実費だ。ただしあなたの2,950円に対する第一請求ではない。損益計算書の序列では、賃借料がそれより先に計上される。

契約上の支払いが出ていけば、事業者が通行料で莫大な剰余金を抱えているわけではない。重い負担は、日常の意味での「保守」が行項目になるより前に発生する。

領収書の大半は賃借料

収益表を分解すると、支配的な数字の組は通行料収入と道路資産賃借料だ。NEXCO東日本は2023年度に通行料収入8,164億円を計上した。同年、日本の高速道路債務機構に法的上帰属する舗装、トンネル、橋梁を使う料金として、道路資産賃借料5,708億円を支払った。

その賃借料は脚注に隠れた秘密の追加料金ではない。決算短信は、日本高速道路保有・債務返済機構(JEHDRA)との協定に織り込まれた計画収入を実際の通行料収入が上回ったり下回ったりすると、賃借料が増減する仕組みだと説明している。2023年度は交通が計画を上回り、NEXCO東日本は基準スケジュール比で当年の賃借料総額に1,042億円を上乗せした。

ある意味ではドライバーにとっていい年だった。走行が増えた。別の意味では債券保有者にとっていい年だった。事業者は上振れ分を、債務を返済するために存在する機構へ送る。調整は利益への罰ではない。民営化契約が、債務機構のキャッシュフローを、戦後数十年に日本道路公団が将来の通行料を担保に借り入れを始めたとき政治家がネットワークの財源にすると約束した変数――走行キロ――に結びつけた方法だ。

二つの数字を並べれば、通行料はいまの1回の走行の価格というより、賃借資産への料金に見える。通行料収入と賃借料は一緒に動く。契約はそのように意図的に書かれた。

舗装の所有者は誰か

2005年の道路関係四公団の民営化は、しばしば道路を会社の手に渡したと言われる。運営面ではその通りだ。6つの高速道路会社が車線、料金所、サービスエリアを動かす。法的には資産基盤はいまもJEHDRAを通る。機構は道路財産を保有し事業者に貸し出し、承継債務と新たに移された債務の返済を目的とした料金を徴収する。

料金所から企業の箱、さらに政府の台帳へと移るコインを示す図解風の断面
イラスト:料金所から高速道路会社へ、そして債務機構の台帳へ流れる通行料。InfoHandle Visual Arts(AI生成)

料金収入の実績が、機構と高速道路会社(以下「会社」)との協定に定める計画収入の一定割合を超えて変動する際には、一定割合を超える部分について会社から機構に支払う道路資産賃借料を加減算する仕組みとなっております。

— NEXCO東日本、2023年度決算短信、2024年6月7日

新しい車線が開通すると、会計は循環しているように見える。完成区間は「道路資産完成価額」としてJEHDRAに移管され、工事費は事業者の帳簿の両側に載り、利益では相殺されるが国の債務台帳からは消えない。NEXCO東日本の2023年度短信は、東北・関越のスマートインターチェンジ、仙台南部道路の4車線化などの例を挙げ、大型案件の引き渡しが減って完成量は前年比で下がった一方、完成価額は押し上がったと記す。

しまなみ連絡は劇的な一例にすぎない。同じ構造は東北、東名、NEXCOの地図上の他の都市間路線すべてを覆う。JB本四高速も同じ枠組みの中にある。料金所が集めるが、島の橋が観光ブランドになるずっと前から、長距離の債務ロジックは全国的だった。

機構は、法令により、道路関係四公団の民営化(平成17年10月)から60年以内に、高速道路会社から徴収する貸付料により、公団から承継した債務(約40兆円)及び会社から新たに引き受けた債務を完済することとされています。

— 日本高速道路保有・債務返済機構、債務返済のページ、2026年10月6日閲覧

JEHDRAの公表資料は法定の使命を率直に述べる。2005年10月の民営化から60年以内に、高速道路会社から集める貸付料で、公団から承継した約40兆円の債務と、会社が新規完成資産を引き渡す際に機構が引き受ける追加債務を完済する。料金所はその命令の集金窓口だ。

なぜ負債の残高はいまだ巨大なのか

新体制に入って20年、残高は小さくなったがいまも数十兆円で測られ、十億円単位ではない。2005年10月1日、旧公団は6つの高速道路会社と、舗装を保有し借金を飲み込むために設けられたJEHDRAに分割された。投資家向け資料はJEHDRAの開始時残高を約37.4兆円とする。機構自身の承継債務の概要は、新規引受け前の公団分を約40兆円に丸める。

JEHDRAは2025年度初め(2024年4月)の財務諸表上の債務残高を24,422.4億円と報告した。返済は実在する。機構の開示は2025年度の現金返済を約2,784.4億円とするが、同年は事業者からの新規債務引受けも約1,504.5億円あった。道路の完成は元本を増やし得る一方、交通は旧残高の利息を払い続けるため、グラフは一直線に下がらない。

2025年3月期までに、JEHDRAの基本財務諸表の保有債務は約25.1兆円に近かった。2026年3月の財務諸表残高は、さらなる返済サイクル後、約23,784.8億円だった。進展はある。投資家向けスライドの開始時姿勢より約13.0兆円低い。だが依然としてG7一国の年間政府予算のスケールであり、誤差ではない。

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国土交通省の2005年民営化枠組みは政治をカレンダーに結びつけた。改革パッケージのスライドのひとつは、債務が消えたら民営化から約45年後に機構を解散し、高速道路を公的管理者に移して無料運営すると述べた。維持費や地域格差の議論がその約束を複雑にしたが、原設計は通行料が都度払いのサービス料ではなく、数十年の償却計画だと明確にした。

中日本高速道路は東京圏外でも同じ賃借ロジックを示す。2023年度の通行料収入は6,721億円、道路資産賃借料は4,770億円。しまなみのドライバーの2,950円は、毎年まだ数兆円を債券保有者と機構口座へ動かす国家の装置の、ごく小さな見える一片だ。

規則を裏付ける「例外」

JEHDRAは返済が最新計画を上回るときすぐに言及する。2025年度について、2026年度初めの返済計画上の債務は約23,648.6億円で、当時の計画より約2.2359兆円低かった。貸付料収入約2,270.2億円が期待を上回る一因だった。これは本物の財政上の進展であり、日本の長期公的負債を心配する誰にとっても重要だ。

高速道路の車線上のETCアンテナゲートと、債券の欄がある台帳
イラスト:車線上のETCゲートと、道路脇に示された債券台帳。InfoHandle Visual Arts(AI生成)

それでも通行料が何であるかは変わらない。計画前倒しの償却は、いまのドライバーが昨日の建設借入を前払いしていることを意味する。交通が振るわなければ調整条項は逆に働き、2023年のNEXCO東日本のように交通が急増すれば賃借料は上がる。料金は特定の橋の塗装の限界費用より、債務スケジュールに指数づけされている。

晴天の2,950円

晴れた秋の午後、再びしまなみへ。島は緑、海は青、ETC画面は全区間2,950円を点滅する。表示の数字に「1970年代」とは出ない。だが日本の都市間高速道路で払う金の大きな割合は、ネットワークを築いた借入の波と、2005年の会計上の手続き――その借金をJEHDRAの台帳に載せ、ゲートはNEXCOの色を残した――に遡る。

道路は完成したように感じる。債務はそうではない。法令の60年の射程で機構の残高がゼロになるまで、日本の高速道路通行料は民営化以来変わらぬもののままだ。一部は利用料、一部は国家の抵当の賃借料――島ひとつ、料金所ひとつ、電子のビープひとつで値づけされる。