関西電力は金曜、美浜原発3号機(定格出力82.6万キロワットの加圧水型炉)の原子炉を起動し、同日に調整運転を開始したと開示した。総合負荷性能検査を終えた後、11月4日に営業運転へ戻す予定で、5月以来2度目の手動停止を挟んだ再稼働作業が一段落した。

9月停止の直接原因

同機は9月17日の調整運転中、6A系高圧給水加熱器の常用水位制御弁出口配管の空気抜き弁周辺の保温材から、秒あたり3滴の漏水が確認された。関西電力は9月18日午前4時3分に手動停止し、配管を調査した。

調査で空気抜き弁までの配管に貫通穴が見つかった。2010年の工事で外装板の取り付け方向が誤り、雨水が浸入して外面腐食が進んだと推定し、該当配管をステンレス製に交換した。

5月のタービン事故からの経緯

その前の5月8日には高圧タービンキャップの穴あきによる蒸気漏れで手動停止し、定検を前倒しした。減肉が記録されていた配管50箇所の交換やキャップ取り替えを経て調整運転に入ったが、9月の漏水で再停止となった。

美浜3号機は12月に運転開始から50年に達する。関西電力は関西圏の基荷電源確保の一角として再稼働を進めており、再稼働は福井県内の他原発とともに近隣自治体の注目を集める。

規制当局と地域の見方

原子力規制委員会は5月事故後の再稼働手続きを踏まえ、10日の起動が会社予定どおり進んだ。5月・9月のいずれも放射性物質の外部放出は報告されておらず、設備トラブルとして扱われた。

関西電力は営業運転再開まで調整運転と試験を続けるとしている。反対派は老朽化部品の安全性を問う一方、会社は交換工事が規制要件を満たすと説明している。関西電力は秋の工場稼働増に備え、冬季の電力需要ピーク前に試験を終える計画だ。

美浜町は原発関連の雇用と税収に依存する一方、再稼働のたびに近隣自治体からの情報公開を求める声が出る。今回の起動は9日付の開示どおり進み、引き続き原子力規制委員会への定期報告が続く。