キリンホールディングスは、公正取引委員会が東京本社と地域2倉庫を家宅捜索した後、金曜日に卸ビール価格表3種を停止した。協調した価格提示を疑う捜査が始まって以来、大手醸造会社が公に動いた最初の措置だ。

会社は深夜の通知で、350ミリリットル缶と1リットルPETラインの公表価格を法務レビュー終了まで9月30日水準に戻すと伝えた。10月の価格表を既に受け入れた卸にはペナルティを課さないとし、スポーツの日の旅行週末前の棚欠けを防ぐ狙いだ。

捜索の焦点

公取委職員は、2024年から2025年初頭にアサヒグループ、キリン、サッポロビール、サントリーホールディングスで連動したとされる「推奨」卸レートに関するメールとマージン表を押収した。リスト価格が飲食店やコンビニ向け値引きを妨げる床として機能したかを、書面合意がなくても独占禁止法違反に当たるかで検証している。

キリンのコンプライアンス部門は東証提出書類で、談合承認の議事録は見つからなかったが、営業チームが公表前に競合へ価格表草案を共有していたことを認めた。外部弁護士による並行調査を依頼し、30日以内に要約結果を公表するとしている。

関東の卸業者によると、深夜以降の指示は食い違った。一部の担当者は10月分の出荷停止を求め、別の担当者は既に積載済みのトラックは水曜印刷のリスト価格で荷下ろしすべきだと伝えた。捜査の参考人である卸2社によると、キリンの問い合わせ窓口は明け方までに400件超の電話を記録した。

競合の報告書

アサヒとサントリーは金曜日、卸ビール価格の社内承認手続きを説明する宣誓付きコンプライアンス報告書を公取委に提出した。両社は当局が営業間の許容される連絡を明確化するまで、11月の値上げ予定を凍結する。国内ビールシェアが小さいサッポロは全面協力し、10月7日付の草案表は既に撤回済みとした。

ビール卸経由で仕入れる飲食チェーンは、凍結で生ビールのスポット値引きが一時広がる可能性がある一方、アルミや麦芽高で相殺されるかもしれないと述べた。日本レストラン協会は、業界説明会で価格調整に踏み込まずに何を話せるかのガイドライン公表を求めた。

コンビニ本部は、リスト価格が戻れば四半期リベートを再交渉する構えで、マージン圧力が加盟店より醸造側に移る可能性がある。業界弁護士は、捜査中は業界団体の会合での「価格シグナリング」も注意が必要だと指摘した。

市場と政策の含意

キリン株は金曜現物で2.1%下落し消費関連指数を下回った。投資家は罰金と価格転嫁の遅れを織り込んでいる。野村の分析では、投入コストが上がり続ける場合、卸凍結が長引くと4社の営業利益を低い一桁%削る可能性がある。

高市早苗政権は家計防衛で競争政策を重視しつつ、醸造会社のエネルギー回収も認めている。長期化する捜査は、マージン圧で高アルコール製品へシフトする「発泡酒」周りの税制議論を複雑にする恐れがある。

公取委はレビュー期限を示していない。キリンは卸が10月請求の再記載方法を確定次第、月曜に投資家向けウェブ説明会を開くとした。