日本共産党は12日、他の野党との選挙協力を長年掲げてきた路線を改め、党組織の拡大と高市早苗首相の内閣への正面対決を優先する方針を表明した。田村智子委員長は東京の党本部で開いた中央委員会総会で、来年1月の党大会に向けた決議案を示しながら転換を明らかにした。

田村氏が表明した内容

渋谷区の党本部で開かれた第10回中央委員会総会で、田村氏は来年の党大会決議案を報告し、国政選挙における野党各派との協力路線を「転換」すると述べた。共同通信の報道によると、立憲民主党と公明党による中道改革連合の結成などで「新しい政党配置」が生じたと指摘した。

田村氏は「高市政権に正面から立ち向かう」とし、党勢拡大を最優先する考えを示した。決議案では、2017年から3大会連続で掲げた「市民と野党の共闘」の文言が外れる見込みだ。当時は自民党に対抗するため、立憲民主党などとの戦術的な連携を模索していた。

転換に添えた選挙目標

日本の報道各社は、次の衆院選に向けた具体目標が盛り込まれていると伝えた。比例代表で450万票・得票率7・5%以上、小選挙区では全都道府県で少なくとも1選挙区の候補者擁立などだ。日本経済新聞や日刊スポーツは、協力によって野党同士の競合を減らすより、幅広い候補者擁立に戻すシグナルだとみた。

共産党は2024年衆院選で8議席を獲得したが、協力で単独候補が立つ重要区では影響力を取り戻しきれていない。党幹部は、理念の転換というより、信頼できる協力相が見えにくい野党再編への対応だと説明している。

野党全体への波及

立憲や中道改革連合の幹部は12日午後すぐには詳細な反応を出さなかったが、都市部で野党票が割れる選挙区では調整が難しくなる可能性がある。非公式な協力で共産支持者の票を受けていた小政党は、国会会期終了後に想定される解散総選挙に向けて戦略を描き直す必要が出るかもしれない。

与党側にとっては、より独立した共産の候補者リストが野党票をさらに割るか、支部組織の強い地域では左派の投票率を押し上げるかは、他党が単独路線を取るか地域協定を模索するかにかかる。

1月大会までの手続き

決議案は1月の党大会での正式採択が必要だ。それまで地方組織が論議し、候補者計画を固める。田村氏の発言は、立憲の都道府県連と共同推薦を交渉するより、候補者と党員の獲得に力を入れることを党員に求める趣旨だ。

12日朝には北朝鮮が弾道ミサイルを日本海方向に発射し、高市内閣は対米安全保障を強調している。共産党は軍備拡張論にも最も正面から異論を唱える野党として位置づけており、幹部は非公開で、広い野党ブランドに埋もれず党名を票に残す理由でもあると語っている。