高市早苗首相は水曜日、自衛隊の潜水艦に原子力推進を導入する可能性を「真剣に検討」すると国会で表明し、中国やロシアの太平洋での軍事活動が高まる中、長年議題に上がらなかった選択肢が防衛計画の表に出た。

衆議院予算委員会で高市は「具体的かつ現実的な形で真剣に検討する」と述べ、自衛隊の太平洋における情報収集・監視能力は限られており、抑止力の強化は「緊急の課題」だと強調した。潜水艦の動力方式について「現時点では何も決まっていない」とも述べており、年内に改定される国家安全保障関連文書への記載をめぐる議論に政治的背景を与えた形だ。

法律と連立の日程

原子力基本法は原子力の利用を平和目的に限り、過去の内閣は原動力潜水艦を認めないと説明してきた。政府関係者は日経や朝日の報道で、改定文書には「原子力を含む次世代動力」の研究を盛り込む案が有力だとしている。

自民党の安全保障調査会は11月以降、トップ人事を据え置いたまま審議を再開する見込みで、党幹部の一部は原動力潜水艦を議論に残す首相の意向を読んでいる。高市は豪州の核潜水艦取得や韓国の海軍原子力技術協議にも触れた。

潜水艦論が浮上した背景

防衛省は中国の空母「遼寧」が沖縄近海で活動した一方、北朝鮮が日本海で潜射巡航ミサイル試験を行ったとしている。原動力攻撃潜水艦は浮上せずに長期巡航でき、深海での艦隊追跡に有利とされる。産経は防衛省幹部の話として、中国の空母増強への対抗策として原潜を「切り札」とする一方、法整備とコストで10年以上かかる可能性も報じた。

防衛省や与党内部には慎重論もある。朝日は、垂直発射システムを備えた従来型潜水艦と長射程ミサイルの強化を優先し、全固体電池や燃料電池などを研究する案が有力だと伝えた。

内閣の別件

原潜発言と同日、高市は辞表を提出した簗和生農相の後任に、元農林水産副大臣の武部新氏を起用すると表明した。道路予算発言や選挙運動の無料バス問題が続き、在任約1か月での辞任は野党の追及材料になる。

原潜を「研究」にとどめるか、より踏み込むかが年末の安保三文書の文言を左右する。高市が示したのは、原動力潜水艦をシンクタンクの空想から外すという首相レベルの意思表明だ。