不動産経済研究所は、東京・神奈川・埼玉・千葉の新築分譲マンション平均価格が2026年度上半期(4~9月)に1億1494万円に達し、上半期として初めて1億円を超えたと発表した。鉄骨・コンクリート・人件費の上昇が買い手に転嫁され、都心立地への需要は依然強い。
調査の範囲
対象は4都県で分譲開始された物件。前年同期比21.1%上昇で、上半期平均は4年連続の更新となった。分析家は、港区・中央区の超高額物件が平均を押し上げている一方、地方沿線でも上昇が広がっていると指摘する。
開発会社は防火・省エネ基準の強化や輸入設備の円安コストを理由に、1棟あたりの戸数を減らし戸当たり価格を維持する動きを続けている。
買い手の層
共働き世帯の住み替え需要が中心で、テレワーク継続で通勤圏が広がった層も残る。金融機関は返済比率を厳格化する一方、審査通過者には依然低金利の固定ローンが用意される。1億円超の借入は月次返済が家計を圧迫し、親の資金援助なしでは初めての購入が難しいケースも増えている。
供給と在庫
都心の駅前用地は限られる。在庫月数が伸びれば内装グレード競争が起きるが、現状は都心3区で値引きは限定的だ。
政策との関係
食料品の消費税軽減議論は住宅税制を直接は変えないが、家計の再計算は大きな買い物のタイミングに影響する。国交省は省エネ表示の強化を進め、初期費用増を招いている。
リスク
長期金利上昇が住宅ローン金利に波及すれば、変動金利利用者に直撃する。企業にとって都心の高住宅費は採用コストの一形態でもある。
結論
上半期平均が9桁に乗ったのは、立地プレミアムにコスト上昇が重なった結果で、単なる投機バブルとは性格が異なる。地価と賃金の動きが変わらなければ、価格は下げより横ばい圧力が強い。
