沖縄県の嘉手納基地で、米空軍第18戦隊は中国の電気自動車大手BYD(ビーワイディー)製の車両の入場を禁止したと、戦隊関係者が月曜に明らかにした。車載カメラやセンサー、通信機能が基地内の情報を外部に送る恐れを理由に挙げ、機微な施設周辺での中国製ハードウェア排除を一段進めた。
基地向けの通知では、私有車・リース車を問わずBYD車は直ちに敷地内に入れないとした。関係者によると、位置情報や映像がクラウド経由で取得されるリスクが指摘され、ゲート付近の待機車列や家族向け駐車場でも同様に適用される。政府リース車にBYDが含まれる場合も対象となるとみられる。
戦略的要地での運用
嘉手納は太平洋最大の米空軍基地で、戦闘機、給油機、偵察機が第一列島の運用の要となる。個人車両のメーカー指定禁止は珍しいが、米国防総省は中国製ドローンやスマートフォンアプリの使用制限を強化しており、議会もデータが中国企業のサーバーに渡る経路の点検を求めている。
韓国の聯合ニュースは週末、嘉手納の決定を報じ、同様の措置が韓国や他地域の米基地にも広がる可能性を伝えた。防衛省は同盟軍の基地規則についてコメントを控え、在日米軍に言及を委ねた。米軍は「部隊防護方針は継続的に見直す」とするにとどめた。
BYDと米国の警戒
BYDは世界最大のEV販売台数を誇り、東南アジアや欧州、中南米へ安価な電池車を輸出している。米市場では関税や国家安全保障審査で中国ブランドの乗用車はほぼ入れないが、沖縄の民間市場や、他国から持ち込んだ米軍関係者の車両には流通している。
ワシントンは、常時録画するカメラが飛行場の動き、警備配置、ゲートの開閉パターンを外部に晒すと指摘し、連結車両規制の連邦ルール作りを進めている。議員は、広域規制が整う前に基地ごとの禁止リストを整備すべきだと主張している。
東京の同盟政治
高市早苗首相の政府は、GMOコインなど企業への不正アクセス急増に対し、来週までにサイバー追加策をまとめる方針を示している。嘉手納の車両禁止は国会承認を要しないが、沖縄の米軍施設が米中技術競争の最前線にさらされる象徴でもある。
沖縄県の玉城デニー知事の事務所は、正式通知を受けていないとし、米軍にゲート周辺の検問強化や住民への案内を確認する考えを示した。基地側は敷地内のみの措置で、影響を受ける家族向けに代替駐車の案内を掲げるとしている。
現時点では、BYD車は他の持ち込み禁止品と同様、入場を拒否されるか基地外に停めるかの二択となる。他の太平洋空軍基地が続くかどうかが、議会の警告が日常のゲート検問にどう落ちるかの試金石になる。
