台風20号(デュアン)は22日朝までに日本の東岸から太平洋へ離脱したが、飽水した斜面の捜索が続き、被害は拡大した。消防庁は死者4人(千葉3人、神奈川1人)と行方不明6人を確認。千葉県では午後も4万5千戸以上が停電し、シルバーウィーク初日に首都圏を襲った暴風・大雨の余波が残っている。

通過後の復旧

気象庁は大雨警報の大半を解除したが、土壌が限界を超えた斜面では遅延型の土砂災害に警戒を続けるよう呼びかけた。伊豆大島では48時間で832ミリの雨が降り、9月平均の2倍超に達したとNHKが報じた。東京・江戸川区では24時間282.5ミリの観測史上最大の雨で排水が溢れ、鎌倉駅周辺の道路が冠水した。

日本航空と全日本空輸は21日だけで合計270便超を欠航。東京ゲームショウは最終日の早期閉会、千葉の野球や野外音楽イベントも中止となり、連休の旅行計画が乱れた。

捜索と住家被害

東京・中目黒では擁壁崩落で車が押し潰された住宅街が通行止めになった。消防庁は460戸超の損壊を把握。市川市などでは1階浸水が目立つ。自衛隊工兵が県道の泥かきに加わった。

行方不明6人は土砂崩れの多い谷あいに集中。夜間捜索はチバの2流域で熱感知に限定された。

電力と水道

千葉電力は順次復旧を進めるが、最後の農村系統の見通しは示せなかった。3市町の病院が非常用発電に切り替えたが、重症患者の搬送はなかった。取水場が浸水した2町で水道の注意報が出たが、東京都心の水道は安定している。

アジア大会と観光

第20回アジア競技大会の会場付近でも強風・大雨の影響が出たが、名古屋のメダルイベントは22日も予定通り開催された。箱根・日光の観光協会は旅館キャンセルが急増したと述べた。

今後の見通し

自治体はがれ地帯への入山を登録制にし、ボランティアを募った。鉄道は都市部で大半が再開したが、伊豆半島への特急は隧道の漏水点検のため本数を削った。

今年の25番目の台風として記録されたデュアンだが、今の焦点は死者4人と行方不明6人、千葉の停電、そしてシルバーウィークの片づけを妨げる飽水斜面である。