理化学研究所のSPring-8チームは金曜日、酸化物系全固体電池試作を急速充電した際に内部ひずみ場がどう動くかを同期放射でマッピングした成果を公表した。来年のパイロットライン拡大前に自動車メーカーが使える指標になる。
BL02B1ビームラインで錠型セルを30秒間隔で撮影し、電流を3Cまで上げた。松本空のサイエンスデスクは、電圧曲線が異常を示すより前に正極界面で微細クラックが生じる様が写り、ギガファクトリーの品質管理に効くと述べた。
ひずみマップが要る理由
全固体はエネルギー密度に有利だが、圧のムラに弱い。硫化物・酸化物を試す自動車メーカーは、積層トルクが内部応力にどう効くかを知る必要がある。SPring-8のマップはX線回折ピークを、衝突シミュで使う力学モデルに結び付ける。
神奈川のNEDO案件は冬にこの手法をインライン検査試験へ持ち込む。成功すれば破壊分解テストの一部を置き換え、立ち上げを速められる。
限界と次の段階
ビーム時間は限られる。1回の充電サイクルで同期放射を4時間使い、全パック検査には向かない。理研は大阪大学の技術者を訓練し、フィールド試験から戻った不良セルに短縮スキャンをかける。
松本氏は12月の安全提出でトヨタやパナソニックが本論文を引用するか注視する。現時点は研究室の基準だが、全固体が最初に壊れる場所を絞った。
