東北電力は15日、宮城県の女川原子力発電所2号機(定格熱出力一定運転中)について、タービン建屋内の高圧第1給水加熱器(B)水室逃し弁からの漏れがわずかに増加したため、10月17日ごろに計画的に原子炉を停止すると発表した。漏れた水は排水槽に回収され、液体廃棄物処理系で処理されており、周辺環境への影響はないとしている。
漏えいの経緯
会社発表によると、9月1日以降当該弁から微量の水が排水槽に漏れていると判断し監視を継続していた。原子炉への給水流量や水位に有意な変化はなく運転への影響はないが、漏れ量の増加を踏まえ、部品の分解点検と交換のため停止を決めた。漏れ量は1時間当たり約0.2トンと推定される。
停止後、点検・修理を経て再起動するまで約10日程度を見込む。計画停止であり、緊急停止ではない。
再稼働の位置づけ
女川2号機は2024年10月に再稼働し、東日本で2011年の東日本大震災後に初めて運転を再開した炉の一つとして注目された。女川は福島第一原発より北の宮城県沿岸に位置する。
短期の計画停止は東北電力管内のベースロード供給をわずかに減らすが、全国の電力需給は余裕があるとの見方が大勢。ただし停止期間が延びれば、規制当局の追跡審査が厳しくなる。
政治・社会的な文脈
共同通信は、漏れた水に放射性物質が微量に含まれるが回収・処理され、周辺で異常な線量は検出されていないと報じた。高市早苗内閣は防衛文書で核動力潜水艦などを議論する一方、矢野和夫農相が別問題で辞任するなど、エネルギー・安全保障政策が注目されている。
再稼働から間もない炉での弁漏れは、保守文化や点検体制を問う材料にもなる。東北電力は冷温停止後の進捗を順次公表するとしている。
投資家は10日以内の再起動が実現するか、より長期の停止に移行しないかを注視する。原子力規制委員会の追加情報開示も焦点となる。
