千葉県北東部の地下約50キロを震源とするマグニチュード4.7の地震が3日午後2時40分ごろ発生し、関東平野の広い範囲で揺れを観測した。気象庁は津波の心配がないと発表したが、深い震源でも高層ビルや鉄道の要所が揺れることを改めて強調した。

揺れの広がり

震源は千葉市の北東、山武(さんむ)地域付近と推定される。最大震度3は東金市、旭市、匝瑳市、山武市、多古町、九十九里町、芝山町、横芝光町で記録された。千葉市の各区、成田市、市原市、八千代市では震度2が広がり、茨城県鹿嶋市や潮来市でも震度2が観測された。

東京都23区すべてで震度1が記録され、神奈川県横浜市や川崎市、埼玉県さいたま市の一部でも弱い揺れが報告された。静岡県東伊豆町でも震度1が観測された。地元メディアが国勢調査データに基づき試算したところ、震度1以上を観測した地域の総人口は約1950万人、65歳以上の人口比率は約25パーセントに達する。

直後の対応

千葉県は発生後1時間時点で、人的被害や建物倒壊の確認はないと述べた。ただし山武地域の旧木造住宅密集地では、消防が壁の亀裂や屋根瓦のずれを順次点検した。JR東日本は内房線、外房線、総武線の一部区間で徐行運転を実施し、橋梁の目視確認後に平常運転に戻した。

成田国際空港会社は滑走路を閉鎖せず、欠航も発生しなかったと説明した。管制塔スタッフは、深発震でも計器類の揺れが離着陸手順に影響しうるため、午後の国際線ピークに向けて追加の安全確認を行ったと述べた。京葉工業地帯のLNG基地では、慣行どおり荷役を一時停止し、タンク周辺の漏えい検知器を再点検した。

東金市教育委員会は、放課後クラブを早めに終了し、スクールバスを日没前に切り上げた。保護者からは、過去の千葉県東部地震を踏まえ、夜間の余震情報を求める声が市役所に寄せられた。

防災体制との接点

今回の揺れは、高市早苗首相が掲げる国家防災庁の発足からわずか2日後の出来事でもある。細野豪志防災相は同日、熊本県の被災地視察中に、将来の「防災局」を全都道府県に配置し、東京一極集中を避ける考えを示した。熊本県の木村敬知事は、県内への防災局誘致を要望した。

地震学者は、プレート内部の深い地震は地表に断層を現さなくても、長周期の揺れを遠方まで伝えやすいと説明する。千葉県災害対策本部は、家具・食器棚の固定や、非常持ち出し袋の再確認を呼びかけ、気象庁が予定する緊急地震速報の試験配信への登録も促した。

成田空港へ向かう鉄道は、午後の国際線出発ピークと時間帯が重なりやすい。空港会社は、高架線の追加点検を深夜まで検討するが、3日の運航は概ね定刻どおり終了した。利用者団体は、深発震時でも乗客への情報提供速度を改善するよう、鉄道各社と空港の合同訓練を求めている。