SoftBankグループの生成AIユニットSB Intuitionsは、社内法務向けRAG試行3社に最高裁判所と選定高裁判所の判決をチャンク化した先例検索バンドルの出荷を始めた。幻の判例引用を減らす引用メタデータとセットで、弁護士が送るプロンプトごとにログを有効にしたSoftBankエンタープライズクラウドテナント上で試行が走る。

バンドルに入ったもの

データセットは2026年8月までの公開判決から頭注と主文段落を含み、訴因と破棄差戻し状態でタグ付け。エンジニアは封印証拠をスイープしうる全件スキャンを避け、裁判所が既にオンライン公開したテキストだけがインデックスに入ると言う。各チャンクは日本裁判所ポータルへの安定URLポインタを持ち、一次ソースを1クリックで開ける。

RAGパイプラインはチャンクを日本語法文向けに微調整したSoftBankホストLLMに付けるが、引用を捏造するよう訓練はしていない。モデルがメモを起草するとき脚注はバンドルIDに対応しなければならない。類似度スコアが内部閾値を下回ればUIは「支配的先例なし」と返し推測しない。

誰が試しているか

参加者は商社コンプライアンス、通信機器メーカーIPデスク、地方銀行訴訟ユニット——NDAで名称非開示。各社9月に約20席を割当。雇用・契約・消費者金融で繰り返しリサーチタスクを生む質問にプロンプトを限定。SB Intuitionsスタッフが週次レビューで弁護士が引用を訂正した回答に印を付ける。

SoftBank自身の法務はパイロット顧客ではない。SB Intuitionsは外部向けマーケ前に第三者フィードバックを欲しい。LegalOnやNEC法務テックは契約レビューを販売。SB Intuitionsは既にSoftBankクラウド容量を買う企業向けアドオンとして先例検索を売り込む。

プライバシーとガバナンス

個人情報保護委員会は従業員苦情ファイルを公開チャットボットに上げるなと警告。SB Intuitionsは案件固有事実をクライアント側編集ツール付き分離バケットに置くことを要求。先例検索クエリに原告名を入れるべきでない。ログ保持はデフォルト90日。法務ホールドが延長する場合を除く。

裁判文テキストへのRAGが再出版に当たるか弁護士が問うた。SB Intuitionsは裁判所オープンデータライセンスを引用し、判決を年単位でインデックスした学術プロジェクトを指摘。それでもパイロットはバルクチャンクを個人ノートPCへエクスポート禁止——SoftBankテナントのDLPで強制。

法務が期待すべき限界

バンドルは未公開下級審判決と外国先例を省略。Westlaw型体系書や省庁行政ガイダンスの代替ではない。SB Intuitions文書は提出前にすべての引用を手動確認——1990年代労働事件で覆しフラグが誤ラベルされ人間編集者が修正したパイロット後、太字で繰り返す免責。

国内データセンターで5チャンク回答のレイテンシ平均3秒未満。月曜朝3社が重なるクエリでスローダウンしスロットリング——10月に容量増強予定。

商用パス

パイロット成功なら席課金サブスク、先例インデックス月次更新を計画。SoftBankクラウドコミットメントに推論クレジットをバンドル——親がセキュリティ機器を売るecho。ライバルは裁判所ポータルで無料のキーワード検索と引用精度を比較する。

社内チームへの成果物は実判決に結びつく脚注付き監査可能メモ草案——自律弁護士ではない。SB Intuitionsへの賭けは、APIで呼べるモデルの上にRAGガードレールに払う日本企業がいること。9月評価は雄弁さより誤引用率に焦点。

慎重な読者がまだ知らないこと

パイロットは下層の基盤モデル版を開示せず、人間リサーチ弁護士対ベンチマークも未公開。数字が出るまでコンプライアンス担当は第一パスインデクサーとして扱い、提出システムではない。最高裁は先例を公開し続ける。製品の価値はクライアント事実を公開ボットに漏らさずエンタープライズ統制プロンプトに配線することだ。