日本最大級の看護労組は火曜、晩夏を通じ急性期病棟の稼働率が90%を超え続けた状況で、退職とパート離職の穴を自発的残業と一時金で埋める限界に達したとして、全国の夜勤手当改革を厚生労働省に求めた。

労組の要求

医療労連(医療生協労組連合会)は、午後10時から午前6時の勤務に高い割増を義務化し、連続3夜勤超には追加支給を求めた。国公立大学病院の指針改定に組み込み、都道府県労働局が裁量的な夜勤差を是正できる根拠を明確にする案だ。

東京の会見で医療労連は、首都圏の大病院で4人に1人が8月に16回超の夜勤を記録した内部調査を示し、自団体の安全上限を超えたと指摘。パンデミック後に拡大した「自宅待機」時間にも上限を求める。

病院経営とベッド

日本病院会は春闘で基本給が上がったと反論し、一律の夜勤割増は赤字の産科など地方病院の閉鎖を招くと警告。聖マリアンナ医科大学病院は9月の内科稼働率が平均93%、熱中症入院がインフル予防接種準備とシルバー週の择期手術と重なったと説明した。

厚労省は「持続可能なシフト設計」の検討会を開くとしたが、割増の下限を法的に認めるとは言わなかった。9月の看護師就業者数は病院で34万8千人、2027年目標には退職を織り込むと約12万フルタイム相当不足する。

地域の圧力

大阪・福岡の支部は入職5年以内の離職増を報告し、理由は予測不能なシフトと育児の両立困難だ。神奈川の看護師は、夜勤患者数が減らないのにコロナ臨時手当3万円が打ち切られた市立病院を離れ、クリニックへ転職したとInfoHandleに語った。

公立病院を抱える自治体はパンデミック拡張の借金返済も抱える。北海道は2病院で固定夜勤チームのパイロットを始め、柔軟性より予測可能性と割増の維持を医療労連は条件付きで支持する。

政策の文脈

外国人看護の議論も交差する。参院厚生労働委員会は火曜、語学支援がビザ数より定着を左右するとの証言を聞いた。労組は大量採用の前に手当改革を求める。

人材派遣の9月夜間救急依頼は18%増—永久雇用の賃金より派遣を買う動きだ。厚労省は派遣も労働時間規制の対象とするが、全国8千病院に労働基準担当は290人しかいない。

患者側

家族には夕方のバイタル遅れや整形外科の鎮痛待ちとして表れる。消費者団体は夜間の看護師対患者比の公表を求め、東京でも数区のみが自主公表。医療労連は9月19日に主要駅前で宣伝行動を予告し、シルバー週前の公聴会を条件にした。

割増と上限が法制化されるまで、夜勤は熱波・インフル・連休旅行が慢性人手不足に重なるたびに締められる安全弁—看護師はその弁が限界に近いと言う。

シルバー週の配置

旅行クリニックと空港検疫が病棟から看護師を一時的に引き抜き、母体病院のシフトを悪化させる。医療労連は相互同意なき病院間引き抜き禁止を求め、省は連休後に「検討」とした。

薬剤師と理学療法士も夜間割増の連名要望を提出。ベッド確保の21時リハが昼間単価なのは不合理だ。厚労省の検討会アジェンダは火曜夜に公開され、初めて関連職種が含まれた。