日立製作所の鉄道システム部門は火曜、大阪メトロ御堂筋線・中央線のホームドア42箇所にオンデバイス映像解析を導入完了と発表。名古屋の運行センターへの回線が夕方ラッシュで劣化しても、挟み込み検知からブレーキ指令まで120ミリ秒未満に短縮した。

背景

ホームドアは転落・飛び込み防止に有効だが、混雑時に赤外線が誤検知し、カバンやベビーカーが挟まるリスクがある。従来は名古屋の集中解析へ映像を送っていたが、同時接続増と台風季のVPNロスで遅延が目立った。2025年の荷物挟み込み未遂2件後、国交省は検知から停止までの短縮を求める安全通達を出した。

エッジ構成

ドア制御盤横の筐体に産業用GPUと二眼カメラを設置。15fpsでローカル推論し、通常はメタデータのみ中央へ。労働組合の要請で駅員の強制再開スイッチは維持。18か月分の匿名大阪映像で微調整した量子化モデルは、貨物ヤード用の大規模モデルを蒸留した。

運用効果

御堂筋線夕方は梅田・難波で片道12万人超。クラウド遅延時はドアが二度再開し30秒遅れが連鎖した。8月試験では誤再開が37%減。シルバー週前の短いメンテ枠ではUSBで署名済みモデル差し替えが有利。

プライバシーとコスト

生フレームは200ミリ秒以内に削除し、事象時のみ保持。個情委は7月に駅表示の改善を求め、日英の掲示を追加。2024年の設備更新債で資金調達し、今月の運賃改定とは切り離す。東芝・三菱電機のライダー案に対し、既存ドア機構にカメラを載せるソフト更新で入札を狙う。

限界

透明傘や地下街の反射広告は依然難しい。四半期ごとに再学習し、ラベル作業は組合立会い。名古屋リンク全断時は従来の赤外フォールバックに戻る。乗客は阪神ナイター前の不要な再開が減るかもしれない。ミリ秒が勝負のホーム端では、推論はWANの向こうではなくドアの横に置く—それが今回の要点だ。