セブン&アイ・ホールディングスは、円が1ドル158円台まで下落しブラジル・ベトナム産アラビカ生豆の着地コストが膨らんだことを受け、焙煎パートナーと地域フランチャイズ組合とコーヒー卸条件の再交渉を始めた。関係者2社が確認した。ローソン、ファミリーマート、スーパーPBの秋プロモが本格化する前に、出来高リベートと運賃サーチャージの再設定が目的だ。

100円カップの裏にある輸入計算

日本は年間40万トン超のコーヒーを輸入し、多くはドル建て生豆と海運指数で決済される。7-Eleven直営のドリップは長く100円前後が軸で、チェーン店が200円超でも消費者は指数のように見る。

関東・関西のフランチャイズ理事会に回った内部資料では、円ベースの生豆コストが前年比高一桁%、店舗人件費と包装は国内インフレで上がった。加盟店は小売値上げより、卸請求の調整で本社と負担分担を求め、シルバーウィーク前の来客を守りたい。

フランチャイズ政治と公取委の視線

公正取引委員会のコンビニ垂直関係ガイドでは、卸変更は客観的コスト根拠が必要。セブン&アイ法務は、為替ヘッジ開示とブラジルCepea系指標を組み合わせ、再販価格維持の懸念なく契約中調整を正当化していると供給側は言う。

地域協同組合は月間杯数連動の段階リベートを求め、低稼働の地方店を守る。本社は横浜・神戸の集荷コンテナ向け一時運賃補助を検討し、DCマージンと棚価格の安定を取引する。

競合圧力

ローソン・ファミマはアプリ連動キャンペーンを展開し、スーパーは直接貿易豆を訴求する。全国100円撤退は未発表だが、おにぎりセットの実質値下げは既にチラシに出ている。

セブン&アイは群馬・仙台の焙煎所で規模優位があるが、ドル請求の生豆は垂直統合でも為替は消せない。四半期平均150円割れでサーチャージを戻す条項が盛り込まれ、日銀の慎重な正常化後のボラティリティを加盟店が要求した。

メニューミックスと非コーヒー

商品本部はベーカリー・惣菜の高マージンSKUで飲料を補う。朝の来客はコーヒーが牽引するため、容量縮小やロブスタ増は味の変化で敬遠される。

200円超のコールドブリュー・植物性ラテはオフィス街で伸び、エントリーカップを据え置きつつミックス拡大が可能と本部は見る。

スケジュールと開示

供給側は10月1日までに改正署名を想定し、秋CM用焙煎ロットに新条件を載せる。単独では重要開示にはなりにくいが、海外資産見直り後のコンビニマージンは投資家の注目点だ。

消費者には当面値札据え置き・セット割の薄化が有力。年末まで円安なら、100円ドリップが文化の約束か、都心旗艦店限定の損失リーダーかが問われる。

10月の注目点

為替フォワードと財務省8月生豆統計でヘッジの追いつきが分かる。千葉本社の加盟店議事録で、地方がリベート案を受け入れたか、コロナ時の助成を求めたかが示される。

いずれにせよ、コンビニコーヒー戦争は東京の杯で値付けされ、供給はドル市場から来る。